2021.7.10
『ピアノの本』Piano Communication Magazine No.275 7-9月号
クライアント 株式会社ヤマハミュージックジャパン
発行所 株式会社SCRコミュニケーションズ
フリー冊子『ピアノの本』の表紙イラストレーションを担当しています。
前号のクリストフォリ・ピアノに続いて、今号では「バロック時代」がテーマになりました。
この時代の代表的な音楽家はバッハです。
バロック音楽時代はオペラの誕生の1600年ごろからバッハの没年1750年の間の時代を指します。
このころはそれまで権力を手にしていたカトリック教会の力が弱まり
代わって絶対王政で王様や貴族が力を持った時代です。
おごそかで理性的なキリスト教のための音楽から
王の権勢を見せつける華やかで情熱的な音楽へ変化しました。
音楽がドラマティックになった時代です。
ヨーロッパに広がるオペラブーム、楽器の開発と新しい演奏方法、
人々にとっての音楽の在り方の変化など音楽界にダイナミックな動きが起こりました。
ちなみにこのころのヨーロッパは、寒冷な気候が続いて大きな飢饉が起き
そのような苦しい状況の中、恐ろしい感染症の黒死病(ペスト)も流行していました。
生きることというのはキリスト教の教えに従うことであると言っても差し支えのないくらい
当時の人々の心の中心にあったキリスト教というものが
大きくゆらいでいた不安の多い世の中でした。
バロック時代の音楽家達はそんな時代で生きた人たちでした。