2024.4.10

『ピアノの本』Piano Communication Magazine No.285 1-3月号

クライアント 株式会社ヤマハミュージックジャパン

発行所 株式会社SCRコミュニケーションズ

 

フリー冊子『ピアノの本』の表紙イラストレーションを担当しています。

 

今号のテーマは19世紀後半〜20世紀に登場した作曲家達です。

 バルトーク(Bartok)

自国ハンガリーを中心に、ルーマニアやクロアチアなどで

民謡を収集してその音楽を研究し

新しい時代の自分の音楽作りにもその研究を活かしました。

 

体が弱かったバルトークにとって

重い機材を背負って農村をめぐる旅は過酷だったそうです。

都市から来た人間を疎ましく思う人々に

なんとか心を開いてもらい歌ってもらうことに苦労したエピソードも読みました。

グリーグ(Grieg)

ノルウェーの豊かな自然を愛し、自然の持つ力や美しさを音楽で表現しようとしました。

24際のときに結婚したソプラノ歌手のニーナは

音楽活動の面でも大事なパートナーでした。

とても仲良しだったそうです。

 

グリーグにはお気に入りのカエルのマスコットをいつもポケットに持っていて

演奏会の時にはこっそりこのカエルを握って緊張を落ち着かせていたそうです。

アルベニス(Albenis)

スペインの港町の市場で人々がギターをかき鳴らしながら歌うような

民族音楽やフラメンコのような舞踏のリズムを好み、

その情熱的で豊かな旋律を取り入れた音楽を生み出しました。

 

特にギターのために作曲した作品はありませんが

彼の音楽はギターで演奏することも好まれています。

 

1800年代の後半の当時のヨーロッパで名声を得て

ヨーロッパ各地を演奏旅行をして回るほどでしたが、

48歳の若さを惜しまれながら病で亡くなりました。

 

 

 

グラナドス(Granados)

グラナドスはスペインの民族音楽を収集していた師匠の影響で

《スペイン舞踏曲》を作曲しその曲でデビューしました。

 

このイラストはスペインの画家ゴヤの絵を見たひらめきから作られた

6曲からなる《ゴイェスカス》をテーマに描きました。

ゴヤはスペイン3大巨匠の1人(あとの2人はエル・グレコとベラスケス)で、

当時のスペインでもブームになった画家でした。

 

グラナドスはかなり感覚的な人のようで

何かを思いつくと白いのもならなんでもメモしたそうです。

家に帰るとシャツがメモだらけということもあったそうです。

 

ガーシュウィン(Gershwin)

ニューヨーク生まれ。

作詞家になった兄のアイラと組んで

ミュージカルに多くのポピュラーソングを作曲しました。

多くの曲が現代でも歌われ演奏されています。

 

その後クラシック音楽に取り組み、

それをジャズと融合させた《ラプソディー・イン・ブルー》の成功と人気は有名です。

 

彼の活躍していた時代には1929年世界恐慌が起こり

多くのニューヨーク市民が家を失いました。

富裕層も投資・投機の失敗で大打撃を受け、

ミュージカルも運営が厳しくなってしまいました。

 

そうして彼の活動の場であるブロードウェイが輝きを失っても

ガーシュウィンとアイラは高収入を得続け成功を収めました。

 

38歳の若さで脳腫瘍で亡くなりましたが何百曲もの音楽を残しました。

 

 

この『ピアノの本』286号で

クラシック音楽の作曲家達取り上げてきた「音楽史シリーズ」も最終回になります。

数えてみたら32人の作曲家達+楽器職人

そして彼らを支えた家族や友人達を描いてきました。

 

偉大な作曲家達がどんな人だったのか、その人柄や

彼らの生きた時代の雰囲気を少しでもお届けできていたら嬉しいです。


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