2018.1.7
佐倉 淳一『明日』装画
佐倉 淳一『明日』株式会社KADOKAWA (2017.12)
文庫版の装画を担当いたしました。
発達障害の子が主人公の小説です。
自閉症スペクトラムという言葉が浸透していき、
その程度や現れ方にはそれぞれの子や人によって違っていることや
また高い集中力や緻密な作業に適した能力を高くもつことが知られたりして、
それが個性の1つであると捉えて、新しい仕事・職場のあり方の取り組みも
始まっています。
それでも、まだそういったことが広く世間に認知されているかというと
そうでもないかもと個人的には思います。
日本では、工業生産などで高い製品を不揃いにならないように生産し続けるため
一律であり規格に外れないスキルを高める教育をされてきているし、
島国なので自分の近くにまったく理解のできない文化があるわけでもなかったので、
多くの大人は多様性を受け入れるのはどちらかというと苦手な方なはずです。
この小説は、発達障害や人とは違うこと、多様性ということについて
考えたり知る際の入り口としてとてもいいと思います。
やさしい社会になってほしいという気持ちになる1冊です。